ニホンワインノミクス!

日本ワインを応援しつつ、ときどき経済学的視点で考えてみるブログ。

国税庁の統計で日本ワインの動向を確認してみる

こんにちは!ミユです。

先月、国税庁のサイトで「国内製造ワインの概況(平成28年調査分)」が公表されました。

「国内製造ワインの概況」は、国税庁が国内のワイン製造業者に対して年1回実施するアンケート調査の結果やワインの課税データなどを集計した統計資料です。

前年分の調査結果の公表がこの時期ということで速報性には欠けますが、日本ワインの生産量などを把握できる貴重な資料なので、最新の2016年の調査結果について、2015年からの変化に注目しながらサマリーしてみたいと思います。

2017年の締めくくりに、思いっきり2016年の話です!

あしからず・・・。

生産量や出荷量はどう変わった?

まず、日本ワインの出荷量と生産量と輸出量の2015年からの変化を見てみます。

おさらいですが、「日本ワイン」は国産ぶどう100%で造られたワインですので、輸入原料を含むワインは数値にカウントされません。 

日本ワインの出荷量と輸出量の変化
日本ワイン 2015年 2016年 増減率
出荷量 15,065kl 15,849kl +5.2%
生産量 18,613kl 16,638kl -10.6%
輸出量 45kl 56kl +25.9%

2015年に比べて出荷量増加生産量減少となっています。 

表にはありませんが、輸入原料を使ったワインも含む国産ワインの生産量は85,794KLで、2015年の100,921KLから約15,000KL減少しました。日本ワインに限ったことではなく、国内のワイン生産量が全体的に減ったんですね。

輸出量は25.9%も増加!!

もっとも、2015年より前の日本ワイン輸出量のデータが存在しないため、これを上昇基調とみるか、何かの特殊な要因で2016年がたまたま増加しただけなのかは判断がつきません。

1つ注意すべき点として、ここで挙げる数値はあくまで調査結果ベースで未回答分は集計されないので、実際の数値との誤差があります。

2015年の回答社数が247社(回答率94.6%)だったのに対して、2016年は231社(同86.5%)なので、16社減っています。

このマイナス分をどう考えるか。難しいところですねー。

都道府県別の生産量ランキング

次に都道府県別の日本ワイン生産量ベスト10を見てみます。

都道府県別日本ワイン生産量ベスト10
順位 都道府県名 生産量(kl) 前年比 前年順位
1 山梨県 5,510kl -14.7% 1位
2 長野県 3,720kl -0.7% 2位
3 北海道 2,495kl -10.1% 3位
4 山形県 1,200kl -6.9% 4位
5 岩手県 600kl -17.5% 5位
6 新潟県 461kl +0.9% 6位
7 岡山県 342kl -6.6% 8位
8 宮崎県 336kl +5.3% 9位
9 島根県 239kl
10 栃木県 200kl  -55.2% 7位

順位は2015年とあまり変わりませんが、ほとんどの産地で生産量が2015年より減少しています。全国の生産量がマイナスなので、当然といえば当然でしょうか。

2015年からの増加率でみると、宮崎県が唯一プラス1ケタ台で健闘していますが、長野県の10分の1に満たないくらいのシェアなので、全体に対する影響度はわずかです。今後に期待ですね!

ちなみに出荷量のベスト10も、9位が島根県から大阪府に変わる以外は上の表と同じ順位です。出荷量は2015年分の数量データが公表されていないので、今回は生産量に限定してまとめました。

ぶどう品種別受入数量ランキング

最後に、ぶどう品種について簡単に見ておきます。

なお、ぶどう品種に関する調査結果として公表されるのは、受入数量(ワインの原料として受け入れられた国産生ぶどうの数量)なので、実際に原料に使われた数量とイコールではありません。

白ワイン用品種と赤ワイン用品種でそれぞれ受入数量のベスト5を表にしてみました。主要産地はシェア上位2位の産地、シェアは白・赤全体のシェアです。

白ワイン用品種

順位 品種名 主要産地 シェア
1 甲州 山梨県島根県 16.1%
2 ナイアガラ 長野県、北海道 12.7%
3 デラウェア 山形県山梨県 6.7%
4 シャルドネ 長野県、山形県 5.6%
5 ケルナー 北海道、新潟県 1.4%

赤ワイン用品種

順位 品種名 主要産地 シェア
1 マスカット・ベーリーA 山梨県山形県 14.2%
2 コンコード 長野県 8.6%
3 メルロ 長野県、山梨県 6.2%
4 キャンベルアーリー 北海道、宮崎県 5.4%
5 巨峰 長野県、山梨県 1.9%

品種別受入数量のシェアは2014年調査分から公表されていますが、そのときから白、赤ともにベスト5は変わっていません。日本ワインの生産量が多い都道府県を主要産地とするぶどう品種のシェアが高い傾向です。

まとめ

2016年の日本ワインの統計データを2015年分と比較して、次のようなことがわかりました。

  • 生産量は減少
  • 出荷量や輸出量は増加
  • 都道府県別やぶどう品種のランキングに大きな変化なし

新たな生産量が減ってしまったものの、市場に出回る量は増えたということで、まずまずの結果ではないかと思います。

生産減少の要因が気になりますが、今ぱっと浮かばないので、何かわかったら書きます。

もっと過去のデータに遡ることができればよかったのですが、国税庁が「日本ワイン」の基準を策定したのは2015年で、この頃から日本ワインに特化した統計データが公表されるようになったので、まだまだデータが少ないのです。

今後データが蓄積されていけば、より深い分析ができるようになると思うので、楽しみにしています。

今回使用した「国内製造ワインの概況」のデータをもっと細かく見たい!という方は、下のリンクからどうぞ。

 

さてさて。

2017年も終わりが近づいてきました。

マイペースなブログですが、読んでくださりありがとうございます!

では、良いお年をー

 

参考リンク

国内製造ワインの概況(平成28年度調査分)|国税庁