ニホンワインノミクス!

日本ワインを応援しつつ、ときどき経済学的視点で考えてみるブログ。

ジャパニーズ・ウイスキーと日本ワインを比べてみる

こんにちは!ミユです。

2018年の初めの記事は、くらべるシリーズ第2弾!

前回の日本酒に続く今回の相手は、ジャパニーズ・ウイスキー

なぜウイスキーかというと、前回と同じく日経新聞の記事がきっかけです。

先月2017年12月16日の朝刊の1面を「国産ウイスキー増産」という記事が飾りました。

記事によると・・・

  • サントリー、アサヒ、キリンが国産ウイスキーの増産を決定
  • 国産ウイスキー世界販売量は約10年で倍増し、中国や東南アジアなどの新興国でも人気が出ている
  • 世界のウイスキー市場は約10年で6割拡大
  • 日本産の評価が高まるなか、増産で需要の取り込みを目指す

とのこと。

ほほー。

というか、

ウイスキーの増産が1面だなんて!!!!!

悔しいですが、今日本ワインが増産といったところで、日経の朝刊1面に取り上げられることはないでしょう。それほどウイスキー産業が注目されているということです。

そんなわけで、またまた無謀な予感がしますが、比べてみたくなったので、やってみたいと思います!

ジャパニーズ・ウイスキーとは?

比べる、といってもウイスキーのことをろくに知らないので、少し調べてみました。

ウイスキーは大麦やトウモロコシなどの穀類を主原料とする蒸留酒です。ちなみにワインは醸造酒。

ジャパニーズ・ウイスキーは、日本で製造されたウイスキーの総称です。世界5大ウイスキーの一角をなし、国際的にも高い評価を受けています。製法は、スコッチ・ウイスキーとほとんど同じだそうです。

国内で製造されるウイスキーのほとんどは輸入原料を使用しています。ワインの場合、輸入原料を使用した国産ワインと、国産原料のみを使用した日本ワインは区別されますが、ウイスキーでは原料の産地による区別はありません。よって、「国産ウイスキー=ジャパニーズ・ウイスキーといえます。

日本では1870年頃からウイスキーの生産が始まったといわれていますが、なんと日本で始めてワインが造られたのも1870年!偶然ですねー。

国内市場の比較

図は、国内におけるワインとウイスキーの生産量、出荷量、輸入量、販売量の直近6年分のデータをグラフにしたものです。いろいろ詰め込んでしまいましたが、オレンジ系の系列がウイスキー、ブルー系がワインです。

ウイスキーとワインの生産量・出荷量・輸入量・販売量の推移

全体的に、すべての項目で上昇傾向になっています。近年の若者のビール離れによって、ウイスキーやワインにはチャンスがきているのかもしれません。

まず、折れ線グラフを見てみましょう。実線のほうは販売量で、ワインがウイスキーよりも倍以上大きな数値で推移しています。点線は生産量ですが、両者はほとんど同じ水準で推移していますよね。生産量は同じくらいなのに、販売量はワインがウイスキーを大幅に上回っているのです。

次に棒グラフを見てみると、ワインの輸入量が突出していることがわかります。つまり、ワインの高い販売量は輸入ワインの貢献が大きく、一方でウイスキーは国内で販売する分の多くを国産でまかなっているということです。

出荷量国内生産分の流通量にあたりますが、直近の2015年にウイスキーがワインを抜いています。グラフにはないですが、ワインの出荷量はワインブームの最中にあった1997年にウイスキーを抜いてからずっとウイスキーよりも高い水準で推移していたので、実に19年ぶりに抜かれてしまいました。

海外進出の比較

図は、ウイスキーとワインの輸出数量、輸出金額の推移を表したものです。ワインのグラフは、第1弾で日本酒と比較したときとまったく同じものです。前回と同様、ウイスキーとワインで桁違いになってしまうので、2軸グラフにしました。

ウイスキーとワインの輸出数量・輸出金額の推移

差が歴然なのはわかりきっていますが、注目したいのはウイスキーの増加度合いです。2005年以降ウイスキーは数量、金額ともに上昇し続け、特に2012年以降はグラフの傾きが大きくなっています。2014年から15年の金額の伸び方がえげつないですよね・・・入力ミスかと思ったくらいです。

なぜウイスキーの輸出が増加しているのか?

はっきりとはわかりませんが、2007年以降、ジャパニーズ・ウイスキーワールド・ウイスキー・アワード(WWAという国際コンクールで毎年受賞しているので、海外での評価や人気の高まりが背景にあるのは間違いないでしょう。

ワインはというと、前回も書いたと思いますが、どちらかというと減少傾向です。

主要輸出先は、ウイスキーアメリカ、フランス、オランダなどの欧米諸国であるのに対して、ワインは台湾、シンガポール、香港といったアジア諸国が中心となっています。

日本政府の輸出支援は?

最後に、政府が推進する日本酒類の輸出促進策について見てみたところ、ジャパニーズ・ウイスキーに関するものは特に見当たりません。日本ワインは、地理的表示の指定や表示ルールの策定など、海外展開に向けた環境整備の面ではウイスキーよりも一歩前を行きます。ただ、そういった取り組みがない中でも、ウイスキーは輸出を伸ばしているというのが事実です。

まとめ:またも完敗か・・・

国産ワインとジャパニーズ・ウイスキーで見ると、生産量や出荷量には大差ありませんが、輸出量ではワインはウイスキーに大きく差をつけられています。

日本ワインは、国産ワインのうち2割程度ですので、今回取り上げたデータだけで言うと、ジャパニーズ・ウイスキーにも完敗ですね・・・。

といっても、ジャパニーズ・ウイスキーと日本ワインでは、使うシーンも合わせる料理もそれぞれ。国内の酒類の中ではまだまだ日本酒やビールの足元にも及びませんが、今回見たように国内市場では右上がりの成長過程にあります。今後の動向に期待です。

近い将来に、日本ワインの記事が日経朝刊の1面を飾ることを願いつつ・・・。

そのうちまた何かと比べてみたいと思います!

くらべるシリーズ第1弾、日本酒とワインを比べた記事はコチラ。

nihonwinenomics.hatenablog.com

ではではー

 

参考リンク

世界が認めた国産ウイスキー サントリーなど増産へ :日本経済新聞

世界に誇れる日本のウイスキー!原料は何でできてるの? | ウイスキーマニア

世界が認めた「ジャパニーズ・ウイスキー」 | nippon.com

純国産がお好きでしょ 高知大講師と学生ら、地元作物で醸造 | 毎日新聞